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登山・登攀でよく使うロープの結び方 
エイトノット8ノ字結び
クローブヒッチ(インクノット・マスト結び)
半マストノット(ムンターヒッチ)
ダブルフィッシャーマンズノット(二重テグス結び)
プルージッククレイムハイストバッチマン 


エイトノット(8の字結び)

 エイトノットは、ロープをハーネスに結ぶ時、ロープ同士を結ぶ時等、登攀で一番多く使われる結び方だ。
正確にきちっと結べば、ロープが解けて抜けたりすることがない確実な結び方だ。

ハーネスと結ぶ結び方
まず、8の字を作る
 
写真のようにロープを通して、8の字を作る。


ロープの端は1m~1.5m程あましておく。


ハーネスにロープをつなぐ





ハーネスのベルト側と脚側にある両方のループ(両方を繋ぐループではなく、それに繋がれた両方のループ)に
通して、初めに作った8の字からロープが出てきた所からロープの端を入れ、8の字に沿って逆になぞっていく。

 
出来上がれば、しっかり締めておく。先は40cmほど出しておく。

 
とめ結び(ダブルフィッシャーマンの片方の結び方)をし、しっかり締めて出来上がり。

ループを作るエイトノット(上の作り方で、ハーネスに通さないで作ってもできる)

上の写真で、最初に作った8の字を、ロープを二重にして作ると考えればよい。

 

 


ロープとロープをつなぐエイトノット
片方のロープ(青)にエイトノットを作り、赤のロープを青が出てきた所から青に沿って逆に戻していく。
 

 
きっちり沿わしていく。両端はダブルフィッシャーマンができるくらい残しておく。


エイトノットにくっつけるように、ダブルフィッシャーマンでとめ結びをする。とめ結びはシングルでも良い。
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クローブヒッチ(インクノット・マスト結び)…セルフビレーはメインロープで、この結び方で
支点にセットすることを基本とする。
基本の結び方をまず覚えて、それ以外の方法も覚えてほしい。以下に3つの方法を写真で説明することにする。

基本
 
輪を一つ作る。同じように同じ方向にもう一つ輪を作る。
 
最初の輪を手前に、後の輪を向こう側にして平行移動させる。

その輪にカラビナを通すと、ロープは固定される。これがクローブヒッチだ。

カラビナや杭や株など片方が空いているものに結ぶ方法
 
カラビナにとりあえず通す。次にロープとカラビナのゲートの関係で説明すると、ロープのゲートと反対側から
ロープを回し、同じ方向にループを作り、

 
カラビナに通す。

  
同じ方向に輪を作るということが、うまく作れるコツだ。同じ方向と言うことをうまく説明できないので、写真を
見ながら何度も練習して、目をつぶってでもできるようになって欲しい。

立ち木など、あらかじめ輪を作って通せない場合の方法
  
ロープを、立ち木に2周させる。この時、初めのロープの上下に分けて2周すること。

 

その先を2回目に回したロープの輪の中に回してきた側から入れると出来上がり。最後にしっかり締める。

以上、どの方法でも出来るように、しっかり練習して習熟してほしい。日常生活でも色々と役に立つ結び方だ。

ムンターヒッチ半マストノット
下降器を落としたり、なかったりした時、これを使って懸垂下降できる。また、セカンドをビレーする時にも使う。
出したり引いたりも、結び目をカラビナの中でひっくり返すだけでできる。簡単ですぐでき、制動もきくので結構便利だ。
クローブヒッチと同様に、ロープをカラビナに通す。ロープは、ゲートと反対側を巻いて、巻き始めた側
(最初にロープが出てきた側)からゲートを通す。(クローブヒッチは、ここで一回ひねって通すが、これを
ひねらずに通すということで、半マストという)
 

これはクローブヒッチ。比較してください。




 
出来た半マスト。これをひっくり返すと右の写真となる。
 
このように、どちらの側から引っ張ってもきちんと制動がかかるのが、この半マストの良い所だ。
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ダブルフィッシャーマンズノット(二重テグス結び)
ロープ同士をつなぐ時に使う。また、6~7mmのロープでスリングを作る時にも使う。
 
二本のロープを平行において、その一方(青)を、まず二回巻く。その時、最初のループから内側になるように次の
ループを巻く。内側へ巻いていくのが正しく、外側へ巻いていくのは間違いだという。ただ、その訳は、分からない。
調べても分からなかった。解けたとか、弱くなるとかの理由があるのだろうか?

 
そのループに先端を通し絞る。次に同じように赤のロープを二回巻く。
 
先端をその中に通して、しっかり絞る。両方の結び目がくっつくように、両側のロープを強い力で引く。
スリングの場合、足で輪を抑えつけて両手で力いっぱい引く。これくらいの強い力でやるくらいの注意が必要だ。
なくても良いが、末端はシングルでも良いので、とめ結びをしておけばさらに安全が確保される。
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プルージック…メインロープに巻くことによって摩擦が大きくなり、下へ滑らないことを利用して落下を
食い止める方法だ。ロープに巻いた部分を手で持っていると、摩擦が効かなくなるので、落下する時はこの部分から手を放さなければいけない。

さて、プルージックは、太さの違うロープで行うことが基本だ。写真の場合メインロープ(青)は9mm、黄のスリングは6mmだ。
 
黄を青に、写真のようにぐるぐると巻いていく。(ちょっと見難いが、この黄色いスリングは上のダブルフィッシャーマンズノットで作っている。)
 
三回巻いて、巻いた方のループに写真のように結び目の方を通す。(この写真は結び目でない方を巻いているが
結び目を巻くという方法もある。その方が、動かしやすく解きやすいと言う利点がある。)

 
通したらしっかり絞る。輪っかを落下方向に引っ張ってみて、しっかり泊まることを確認する。
プルージックは荷重が一点にかかるということで、最近はあまり使われていないようだ。
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クレイムハイスト
最近はこちらを使うことが多いようだ。プルージックより簡単にでき、また、1点に荷重がかからないという利点がある。
 
スリングの先を少し残して、メインロープに3回ぐるぐる巻きつける。ダブルフィッシャーマンがカラビナに
当たらないように、位置を調節する。
 
残したループに、巻いた反対側を入れて、しっかり絞る。荷重方向ににズレないこととを確認してから使用する。
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バッチマン(スペルの読み方で「バックマン」ともいうらしい)
クレイムハイストをバッチマンともいい、カラビナを通すとカラビナバッチマンということもあるようだ。二つの方法がある。
先のクレイムハイストをカラビナと一緒にやる方法と、カラビナにスリングを先に通しておいてやる方法だ。
どちらでもいいと思う。使いやすい方法を練習で決めておいてほしい。
昔、クレイムハイストやバッチマンという名前を知らなかった時、変形プルージックとかカラビナプルージックなどと
言っていたことを懐かしく思い出す。

クレイムハイストをカラビナと一緒にやる方法
 

スリングをカラビナに通してやる方法
 
スリングをカラビナに通して、ロープにスリンを巻いていく。


3回巻けばOK。これだけなので簡単にセットできる。
バッチマンはカラビナを持って上げて行けるので、上げる行為は非常に楽だ。下に引っ張って効くかどうかの
確認だけは、しっかりしておきたい。効きが悪ければさらにもうひと巻きすれば良い。

ロープの結び方は覚えるのも大変なくらいたくさん種類があるが、登攀で使うロープの結び方は、これで十分だと
考える。というより、これ以外はまず殆ど使わない。
さらに多くの結び方を知りたい方は、以下を検索してみてほしい。すごく詳しく説明されている。

登山用語集( 山の安全対策より)  
登山技術テキスト(山なかま シリウスより) 
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