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《穂高岳集中登山》奥穂・前穂縦走パーティー
山行日
参加者
2019年8月22日(木)~8月24日(土)
6名
コースタイム 8/22 上高地バスターミナル(12:20発)~西糸屋(12:35発)~明神(13:20着)~徳澤(14:15着)~横尾山荘(15:20着)
8/23 横尾山荘(7:05発)~本谷橋(8:05着)~涸沢ヒュッテ(9:45着)~穂高岳山荘(13:00着・14:20発)~涸沢岳(14:35着)~穂高岳山荘(14:55着)
8/24 穂高岳山荘(6:20発)~奥穂高岳(7:10着)~紀美子平(9:05着)~前穂高岳(9:40着)~紀美子平(10:25着)~岳沢小屋(13:20着)~上高地登山口(16:05着)~西糸屋(16:25着)
 8/22(木)雨→くもり
 あまりの天気予報の悪さに、バスに乗り込んだ時点では、今回の山行をほとんどあきらめていた。せいぜい奥穂ピストン、それもガスって何も見えないだろう…。稜線の風の強さを嫌って、予定していた、北穂から奥穂の縦走は早々にあきらめた。
 上高地へ着くと、案の定、雨が降っている。西糸屋に荷物を預け、傘をさして出発。こんな天気でも、上高地の散策路は多くの観光客が歩いている。幸いにも、雨はそれほど強くなく、明神に着くころには上がっていた。徳澤では、みんなと一緒に名物のアイスクリームを食べる。途中、ツキノワグマやニホンザルとすれ違ってビックリ!しながらも、横尾に到着。いつもは賑わっているここも、さすがに閑散としている。
 テントの受付の際、クマが出没するので、藪の近くにテントを張らないようにと注意を受ける。近頃は、小梨平にさえも出てくるらしい。幸いにして、これまで事故は起こっていないようだが、嫌だな~と思いながら、テン場へ向かうと、滝谷登攀組がすでに設営を始めていた。受付での注意を伝え、並んで我々もテントも張る。テント場周辺で大きなクマがうろつく姿を見て、みんな大興奮。
 夕食を前に、何はともあれ乾杯。夕食を済ませた後も、滝谷班のテントに入って二次会スタート。テントへ戻って、寝支度をしていると雨が降り出し、一晩中降っていたようだ。
  8/23(金)雨→くもり→晴れ
 5:30起床。まだしっかり雨が降っている。ゴアテックスのテントだからと、フライを張らなかったせいで、浸水してぼとぼとに濡れてしまった。T山さんには重くなったテントを持ってもらい、申し訳ない…。
 7:05、雨具を着て出発。少し前に、奥穂ピストン組が出発している。横尾大橋を渡り、本谷橋まではほぼ標高差なく快調に歩く。雨は降っているが、屏風岩も姿を見せてくれた。途中で奥穂ピストン組を追い越し、本谷橋を渡ったところで休憩をする。
 ここからは急登が始まる。雨のおかげで登山道は川のようだが、横尾本谷が見えるころには、雨はあがり、稜線が見えるようになった。雲は厚いが、景色が見えると気分が違う。涸沢カールも見えて、この先の天気の回復に期待が持てる。
 涸沢ヒュッテで大休止。(私は個人的に、ヒュッテへゴールデンウイークにお世話になったことのお礼へ。詳細は残雪期奥穂高岳の報告書を読んでね)
 奥穂の小屋がある白出のコルを目指す。雨が上がり、岩が乾いているので、ザイテングラートも心配ない。また、平日かつ天気が悪いおかげで、すれ違い、追い越し・追い越されることもほとんどなく、スムーズに通行できた。ただ、リーダーの私が遅れ気味になって、ゆっくり歩いてもらった。
 涸沢ヒュッテから、2h30mほどで穂高岳山荘へ到着。テント場は、一番乗り。小屋の一番近くに張り、昨晩濡れたテントやマットを干していると、青空が見えてきた。せっかくなので、涸沢岳へ行こう。でもその前に、お腹がすいたので、味噌ラーメンを食べる。ニンニクが効いておいしい!
 涸沢岳へは、空身で15分ほど。風が強く、空に雲は多いものの、青空がのぞき,眺望は十分。北は北穂・大キレット越しに槍ヶ岳がそびえ、その背後には黒部源流の山々。先日、個人山行で言った薬師岳も見える。振り返れば、奥穂高~ロバの耳~ジャンダルム~西穂の稜線、そして、前穂北尾根のギザギザ。これほどの景色が見られると思っていなかったので、嬉しかった。皆にも満足してもらえたようだ。一人ずつ槍ヶ岳をバックに写真をとってもらった。
 穂高岳山荘に帰ると、なんと冷え冷えのビールが待っていた。M井さんと敬さんが雪渓の雪を担ぎ上げてくれたらしい。本当にありがとうございます!
 昨日に続き、またしても登攀組と宴会。小屋の自炊室を借りて、夕飯にさせてもらう。外は寒くなってきた。 風が強くテントが心配だったが、テン場は風を受けないようになっているので、一晩中穏やかだった。
     
  8/24(土)くもり→晴れ
 ここから、N居さんが合流。7:00発の予定だったが、少しでも早いほうが良いとの助言で、準備を終えて6:20に出発。準備中は晴れていたが、曇ってきてしまった。小屋を出てすぐ、2ヶ所のハシゴと鎖場の岩壁を越えていく。風が強く、裸の手や耳が冷たくなる。先に出発して、登頂を果たした奥穂ピストン組・滝谷登攀組とすれ違い、声を掛け合った。
 頂上では、ツアーの団体の写真待ち。風がビュービュー吹いて寒いので、風下側でしばし待機してから、祠で集合写真を撮った。残念ながら、晴れる気配もなく、眺望はゼロ。そそくさと、頂上を後にして、前穂を目指し、吊尾根へ向かう。
 ところどころ涸沢カールや岳沢を望むことができるが、下は良く晴れている。ちょうど3000mラインの稜線に雲がかかっているようだ。穂高の稜線を見ることができないのは残念だが、吊尾根は快適で楽しく、全然怖くはなかった。
 紀美子平にザックをデポして、前穂の頂上を目指す。35分でピークに到着するが、またしても、ガスって真っ白。集合写真を撮ってもらい、晴れ待ちをすることなく下る。金毘羅の練習が活き、スムーズに紀美子平まで降りることができた。ところが、紀美子平まで降りてくると青空が…。
 この日は、土曜日で天気も良い。上高地からぞくぞくと登山客が登ってくる。昨日までとは違い、すれ違いに時間がかかってしまう。岳沢小屋は、はるか下、足元は切れ落ちるように下山道が見えない。分かってはいたけれど、すごい急斜面を下らなければならない。落石を起こさないよう、慎重に、慎重に。
 樹林帯まで降りてきても、まだまだこれから。長~いハシゴをいくつか下り、狭い岩の隙間を何とか通り、やっと岳沢小屋に到着。ここでトイレを借り、行動食を口にして、大休止。ここまで来れば、上高地まであと少し。でも、ひたすら下ってきて、足に疲労がたまっているので、あまりスピードアップはできない。下りではあるが、皆の様子を見て、休憩もこまめにとる。
 木道が続くようになり、上高地が近いと感じられるが、ここに来てクマらしき動物の糞が我々の行く先々に落ちている。周囲はクマザサが茂り、ばったり遭遇しないかヒヤヒヤ…。林道に出た時にはホッとした。
 あとは、散策路たどって西糸屋まで歩くのみ。梓川の河畔からは下ってきた岳沢と奥穂から前穂の稜線が見渡せた。西糸屋別館に到着した時には、行動時間が10時間になっていたが、皆ケガもなく無事に下山でき、ホッとした。
 ビールに惹かれるが、ひとまずお風呂へ。なんと、ここの浴場は、西穂~奥穂~前穂の稜線が一望できる。歩いてきたところを眺めながら湯船に浸かれるなんて最高!
 全員がそろい、山行の思い出を披露しあいながらの夕食は、とても美味しく楽しかった。北穂へ行けなかったことは残念だったが、5人で事前のトレーニングしたおかげで、岩稜帯の登り下りも危なげなく、パーティの結束力もあり、充実した山行となった。
     
     
    
  
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